ドラゴンボール新作アニメと「ドラゴンボール室」室長の電撃独立の話

先日、ドラゴンボールの新作テレビアニメ『ドラゴンボールDAIMA(ダイマ)』が2024年秋よりスタートすることが発表されました。

悟空が子供の姿になってしまうというお話みたいです。

「悟空が子供になっちゃう」というと「ドラゴンボールGT」と被りますが、悟空だけが子供になるGTと違い、「DAIMA」のほうはベジータから亀仙人までメインキャラのほとんどが子供の姿になっていることが公開された映像から確認できます。

時間軸としてはおそらく魔人ブウを倒した直後(つまり「ドラゴンボールZ」の続き)っぽく見えます。なので「ドラゴンボールGT」とも「ドラゴンボール超」とも違う第3のパラレルワールドが生まれることになりそうですね。

とにかくドラゴンボールの久しぶりの完全新作アニメシリーズ、しかも劇場版の「スーパーヒーロー」同様に原作者である鳥山明先生ががっつり制作に関わっているようですから期待大です。

声優交代か…?

メインキャラのほとんどが子供の姿になってしまうという設定を見て「もしかして…」と思うのはレギュラー声優陣の若返りを図っているのではないかということです。

高齢化しているとはいえ長年貢献してきた声優さんを無下に降板させることはできない。そこで「子供になっちゃったので子供の声の声優に交代します」という形にすれば自然な形で世代交代できそうな気がします。

物語の冒頭にあるであろう子供にされる前のシーンやコナンみたいに一時的に大人に戻るシーン(あれば)では元の声優さんを使うようにすれば元々の声優のファンも納得せざるを得ないでしょう。

悟空やベジータなどのメインキャラは子供姿も引き続き今の声優さんが演じるかもしれませんが、亀仙人とかはおそらく別の声優さんになるんじゃないでしょうか。

「ドラゴンボール超」じゃないの…?

もうひとつ思ったのはテレビシリーズとして2018年まで放送していた「ドラゴンボール超」の続きじゃないのか!ということ。

アニメの「ドラゴンボール超」は力の大会の決着と共に終了していますが、漫画版はとよたろう氏によってその続きが描き続けられています。

てっきりアニメ化を前提に漫画が描かれていると思っていたので、まったく違う時間軸で展開されることに驚きました。

アニメが放映されれば当然原作漫画の売り上げも上がるはずなので集英社的にはドラゴンボールの新作アニメを作るなら「ドラゴンボール超」でやりたいはずだと思うのですが…

「ドラゴンボール室」初代室長・伊能昭夫氏の電撃独立との関係は…?

「DAIMA」発表の2か月ほど前である2023年8月。“鳥山明ともっとも親しい社員”と言われている伊能昭夫(いよく・あきお)氏の独立のニュースがありました。

8月末で同社を退社する敏腕編集者は伊能昭夫(いよく・あきお)氏。月刊漫画誌「Vジャンプ」「最強ジャンプ」の編集長を歴任。「Vジャンプ」のYouTubeチャンネルでは「キング・イヨク」と呼ばれ、読者にお馴染みの存在だ。2016年から2022年まで初の単独作品部署「ドラゴンボール室」の初代室長に就任し、“鳥山明ともっとも親しい社員”として権勢をふるってきた。
今年5月、伊能氏は自身を代表取締役とする会社を設立する。その名も「カプセルコーポレーション・トーキョー」。カプセルコーポレーションとは、ドラゴンボールファンならば誰もが知る、主要登場人物・ブルマの父、ブリーフ博士が社長を務める会社の名前である。そんなドラゴンボール愛溢れる名称を自らの会社に冠した伊能氏は、水面下で密かに独立の準備を進め、今年8月末で集英社を退社することとなったのだ。

https://news.goo.ne.jp/article/bunshun/entertainment/bunshun-65417.html?page=2

上層部が伊能氏をドラゴンボール室から異動させようとしたことに反発しての独立…なんてウワサもあります(あくまでウワサです)。

そして先ほどの記事にはこんな記述も。

「『ドラゴンボール』の漫画の版権は集英社に残り、ゲームや映像関係の業務がカプセル社に移るようだ、と言われています。とはいえ、集英社としてもこんなビッグコンテンツから絶対に手を引くわけにはいかない。お互いにどこまで関わるのか現在も交渉が続いているようです」

「ゲームや映像関係の業務がカプセル社に移るようだ」とのことですから、今回の「DAIMA」は集英社ではなく「カプセルコーポレーション・トーキョー」のほうが主導で作られたものだと考えられます。

漫画の版権は集英社に残るので、漫画の「ドラゴンボール超」が売れようと売れまいと「カプセルコーポレーション・トーキョー」には関係ないわけです。

「漫画の版権は集英社/ゲームや映像カプセル~」と別れたことで「DAIMA」が生まれたのかもしれません。

「原作漫画ありき」という制約から解放されたとも言えますが、結果的に「ドラゴンボール超」のほうの続編アニメが作られる可能性はかなり低くなってしまったんじゃないでしょうか。

もしかして自身をドラゴンボールから外そうとした集英社への報復として、「集英社の漫画が原作じゃない(=集英社が儲からない)ドラゴンボールアニメ」を伊能氏が画策したのでは!?なんて邪推もしてしまいます…。

もしくは、「DAIMA」自体は数年前から計画されてたでしょうから、因果関係が逆で「集英社の漫画が原作じゃない(=集英社が儲からない)ドラゴンボールアニメ」をやろうとしたことが「ドラゴンボール室長」を外される遠因になったとか…?(繰り返しますがあくまで私の想像の話です)

ちなみに「DAIMA」がカプセルコーポレーション・トーキョー主導である証拠に、「DAIMA」が発表された「ニューヨーク・コミコン 2023」に登壇していたのは他でもない伊能氏でした。

(写真はこちらの記事より)

伊能は有能!

直近で伊能氏が密接に関わったとされる映画「スーパーヒーロー」は個人的に大好きな作品です。

このインタビューを見ても、非常に作品への理解度が高い感じがします。
https://animeanime.jp/article/2022/06/20/70282.html

「DAIMA」もまだディテールは分かりませんが今回のティーザー映像を見る限り「ドラゴンボール超」よりかなり作画が良いように見えます。

独立騒動の是非は置いといて、伊能氏のドラゴンボール愛はホンモノだし、能力も高い。鳥山明先生から信頼されているのも間違いなさそう。

「カプセルコーポレーション・トーキョー」という会社名は個人的にはあんまり好きではないですが、鳥山先生ってご自身の作品にそこまで執着がなさそうなので、ドラゴンボールから離れたくない一心で独立し、しかも会社名を「カプセルコーポレーション・トーキョー」にしちゃうぐらいドラゴンボールに対して強~い執着心を持つ人が舵を握っているのはいいことかもしれません。

映画・アニメ・ゲーム等については今後のドラゴンボールの行く末は伊能氏に懸かっていることになりますが、そこは伊能氏を信頼して大丈夫な気がしています!