4歳下の弟がいます。
あらゆる面で僕より出来の良い男で、スポーツにしても勉強にしても容姿にしても完敗です。
やや歳が離れてるせいか劣等感みたいなものはほとんどありませんでした。
4つ離れているというのが絶妙で彼が中学に入る時にはもう卒業してますから意外と比較されずに生活することができました。
かと言って「自慢の弟」みたいな感覚とも少し違うような。ドライな言い方ですが互いあまり関心がなかったんじゃないかと思います。
でも成績とか評判とか就職とか、成果で親を喜ばせるタイプの親孝行を彼がせっせとやってくれていたおかげで、特にプレッシャーを感じず適当に生きてこられた気がします。そういう意味ではとてもありがたい存在でした。
絵だけは勝っていたのかも
絵とか工作だけは僕の方が得意だったので、夏休みの自由研究なんかの時は僕を頼ってくれて、なんだか嬉しかったのを覚えています。
僕が未だに絵を描き続けているのはもしかして「これだけは弟に勝っていた」みたいな深層心理が働いているのも一因としてあるかもしれないな、とこれを書いていて思いました。
そんな微妙な距離感の弟でしたが数年前に事故で亡くなりました。それから両親は一気に老けて元気が無くなりましたね。
居なくなってみて初めて、自分が人生においていかに彼の存在を意識していたかということに気づきました。
大学進学時に上京してきた弟でしたが、同じ東京にいたのだからもっと気にかけてやればよかったと後悔しています。
そして実は先日、クローン技術で弟は生き帰りました。当然ですが死んでいる間の記憶は無いので、浦島太郎状態でいろいろ大変そうでしたが本当に良かったです。
さて、この話どこまでが本当でどこからが嘘でしょうか?
もちろん全部嘘ですよ!
コロナもあってしばらく帰れてませんでしたが、今度の正月は久しぶりに実家に帰って仏壇に手を合わせたいと思ってます。