嘘エピソード 双子の卵

「双子の卵」って分かりますか?ひとつの卵に黄身がふたつあるやつ。「二黄卵」というらしいです。

最近はうまく検品されているのかほとんど見かけなくなってしまいましたが、子供のころはそこそこの頻度で「二黄卵」に遭遇した記憶があります。
しかし、僕はこの「二黄卵」が苦手でした。

卵を割って、「二黄卵」だと親がさもラッキーな事のように「双子だ!すごいね!よかったね!」とはしゃぐのですが、僕は内心「言わないでくれ…」と思っていました。

「双子」というワードが生命を想起させるというか、自分がいま他の動物の命を喰らっているという事実を突き付けられるような気がして嫌でした。
屠殺の映像を見てしまった人がしばらく豚肉を食べられなくなるのに近いイメージです。
動物を殺して食べているという事実は変えられませんが、それをなるべく意識せずに居たいんですよね。

親が子供を喜ばせようとして言った「双子」という言葉で、卵が割れて2匹のヒヨコが仲良く飛び出してきて親鶏のまわりを跳ね回る姿まで想像してしまう…。「二黄卵」が苦手だったという話でした。