プライズ景品と同じものをお店では売ってくれない理由

ある本を読んでいて、僕はゲームセンターが好きなので、下記の話が気になりました。

POKKA 法律上の建付けは、5号営業(風営法の区分でゲームセンター・カジノバーなど)では賞品の提供は禁止されてる。遊戯の結果として賞品を提供していいのは4号(パチンコ店・麻雀店など)
大崎 えっ。お菓子やぬいぐるみの取れるゲームは珍しくないけど、本来ならクレーンゲームもダメってこと?
POKKA あれは賞品じゃないのよ。5号営業ではプライズマシンが出していい金額は800円までと定められてて、風営法における「賞品提供」とはみなされない、という解釈を警察は出しているんだよ。つまり、クレーンゲームでは「賞品提供」はないからOK。その他の賞品を出すのは5号営業では未だに認められていない。

パチンコ滅亡論という本の中の、ゲームセンターとパチンコ店の法律上の違い的な話の中での記述です。

800円というのが原価の話なのか売る時の値段の事なのか気になったので日本アミューズメント産業協会のアミューズメント施設における景品提供営業のガイドラインを見てみると

①景品の価額
景品として提供する物品は小売価格でおおむね800円以下のものとする。 小売価格とは、景品専用に開発された物品を除き、一般市場における価格 とする。 なお、景品専用に開発された物品であっても1個あたりの価格はおおむね8 00円を超えてはならない。

つまり法律上、ゲームセンターにある景品はすべて小売価格800円以下のものということになります。

ゲームセンターの景品グッズを普通にお店でも売ってくれたらいいのに~と思う事が時々あるけど、その場合800円以下で売らないと整合性が取れなくなってしまう。
でも例えばクレーンゲームの景品になっているピカチュウの大きなぬいぐるみが渋谷のポケモンセンターに売っていたら、絶対2000円ぐらいしそうだと思うんですよね。

クレーンゲームの場合はお金を入れるけど取れない人もいるし、800円以上かけて取る人もいる。1体のピカチュウが稼ぐ金額の期待値が800円どころではないはずです。
だからゲームセンターの景品と同じものをお店でも売るっていうのはなかなか難しいのかな~と思いました。

カップ麺とかレッドブルとかうまい棒とか、お店で売っているのと同じ「値段のわかるもの」が景品になっているゲームも見かけますがなるほど確かに800円以内という感じがします。万が一2つとか3つ同時に取れてしまっても800円を超えないようにかなり注意を払って景品を選んでいるんじゃないでしょうか。

いくらまでプライズ景品にかけていいのか?

クレーンゲームで欲しい景品があった時に「いくらまでならつぎ込んでもいいのか?」と考えることが皆あると思いますが、この「800円」というのがひとつの目安になるかもしれません。
少なくとも建前上は、ゲームセンターの景品は全て800円以下の価値のものだということを、頭の片隅に留めておきましょう。

※追記(2022/11/26)

こちらの記事によると、

ゲームセンターに関わる風営法の規制が3月1日から緩和され、プライズ(景品)ゲームに使用できる景品の上限価格が、単価で市価の800円から1000円にアップした。

とのことです。

ちょうどこの記事を書いた頃には緩和されてたことになりますね…。

景品が1000円になるとその分1つの景品で稼がなきゃならない金額も上がると思うので、獲れればデカいがなかなか獲れないようないわばハイリスクハイリターン・高射幸性のクレーンゲームが増えるかもしれませんね。

(おわり)