『リズム天国』の話

最近、ふとゲームボーイアドバンスのゲームを集めたいなと思いまして、プレミアの付いてない安い作品を中心に気になるソフトがあったら買うようにしています。

中古でソフトのみ(箱や説明書なし)でよければ、良作に分類されるような作品でも300〜800円ぐらいで買えるものが多いので価格的なハードルは低いです。
しかもレトロフリークがあればテレビに出力して遊べるので、そういう意味でも遊びやすいと言えますね。

携帯機だしボタンも少ないのでシンプルなゲーム性のものが多いのもお手軽で良いです。2001年発売のハードですから20年以上経ってるのですが、レトロゲームと呼ぶにはまだ新しいような気もしてしまう微妙なポジション。

『リズム天国』買いました

『リズム天国』は、ゲームボーイアドバンスの音楽ゲーム。つんく♂さんがプロデューサーを務めている作品です。3DSやWiiでも続編が出ている人気シリーズですね。1作目の本作は2006年発売。

僕は音ゲーは非常に苦手ジャンルでほとんど自分で買うことはないんんですけどこれはつんく♂プロデュースということで体験してみたいと思い購入しました。

他の音ゲーと違う

他の音ゲーと違うな、と感じるのは明確に「プレイヤーのリズム感覚を鍛える」という意図を感じるところです。

ステージ1の最初からゲームを進めていくと徐々に難易度が上がっていく訳ですが、単に手数が多くなるとかスピードが上がるということじゃない。各ゲームがそれぞれテーマを持っていて、リズムを体で覚えさせる教材のようになっています。

それから普通の音ゲーはアイコンが流れてきて所定の場所に来たらボタンを押すという感じですが(太鼓の達人とか)、リズム天国の場合はボタンを押すタイミングが視覚的には分からないゲームが多いです。合図の掛け声を頼りに、リズムに合わせてボタン押す。まさにリズムを体感できるようになっています。

合格ギリギリのラインでも何度もやり直しながら少しずつステージを進めていくと、次第に1小節を細かい等間隔の音符で分割して捉えるような感覚が自分の中に身につき始めているの感じます。
モーニング娘をはじめ数々のアイドルのリズム感を鍛え上げてきたノウハウが、少なからずここに活かされているんじゃないでしょうか。

内蔵音源+ローファイ音声の味わい

まだ途中までしかやっていませんが、個人的に好きなところのひとつはGBAのゲームなのにボーカル入りの楽曲が何曲もあるところです。

しかもCDのようにレコーディングされた曲をそのまま丸ごと収録するのは容量的にムリ。なのでGBAの内蔵音源を使った打ち込みの音源にサンプリングされたボーカル音声を乗せることでムリヤリ歌モノにしているところがなんとも味わい深いです。

そもそもゲームのカセットの中に15年以上前の人の肉声が封じ込められているという事実がなんかエモくないですか。

このビットレートの低いビリビリしたボーカルとGBA音源のチープなオケで、それでもこのゲームには「歌」が必要なんだ!という熱意と強い意志にしびれます。

前述のように『リズム天国』は3DSでもwiiでも出ていますし、きっとそのうちswitchでも出るんじゃないか(出て欲しい!)と思いますが、クリアな音声が入っていて当然の現行ハードでは味わえないこの聴感はGBA版だけのものじゃないでしょうか。「新しめのレトロゲーム」という現在のゲームボーイアドバンスの微妙な立ち位置とその興味深さを端的に表していると言えるかもしれません!