ゲームオブザイヤーも受賞したバルダーズゲート3。2023年末からPS5版をやり始めて2024年4月にようやくクリアしました。
このゲームの面白さは各所で語られていると思いますが、世界観やルールのベースとなっているテーブルトークRPG「ダンジョンズ&ドラゴンズ」にそんなになじみのない自分としてはストーリーの部分は正直言って半分ぐらいしか理解できてない感じでした。
今2週目をやり始めてようやく「そういう意味だったのね」という感じでストーリーがつかめてきた気がします。
ストーリーの理解がそんな感じでも2週目を始めてしまうぐらいに面白いと思えたのは、戦闘が面白かったのが大きいです。
バルダーズゲート3の戦闘はターン制で、敵味方関係なく素早さが高いキャラクターからターンが回ってきて、移動またはアクションを行います。
ファイヤーエムブレムみたいなシミュレーションRPGの、マス目が無いバージョンみたいな感じを想像すると近いかと思います。
とにかく戦闘の自由度がめちゃくちゃ高くてなんでもあり。下記にどう面白いかを書いてみました。
FPS的立ち回りが有効
射線の概念
FPSなんかでよく「射線を切る」というような考え方があると思いますが、バルダーズゲート3でも「射線」を考えて動くとうまく立ち回れることが多いです。マップ上の壁や障害物を利用して、敵の弓矢など遠距離攻撃を遮る(=射線を切る)と有利に戦えます。
▲ Aからの射線は通っているが、B・Cからの射線は切れている状態。Aと1対1で戦える。
相手が大勢でも、うまく射線を管理できれば1対1の状況に持ち込むことができます。
逆に複数の敵から射線が通る開けた場所に突っ込んでしまうと、HPの高いキャラでもあっという間に削られてしまったりします。
▲ A・B・C全員から射線が通ってしまっている状態。3対1なのでかなり不利。
ちなみにバルダーズゲート3では、そのキャラクターが動ける距離内であれば1ターンの中で何度でも移動できるので、移動→攻撃→移動という動きが可能です。物陰から顔を出してして弓矢で攻撃、そしてまた物陰に戻って射線を切る、というFPSでは定石の顔出し戦法もできます。
高所有利
これもFPSではよく言われることですが敵より高所を取れると圧倒的に有利です。敵の陣地より上にある崖に登ったり、建物や城壁の上に仲間を配置しておいてから戦闘を開始したり。
敵より高所にいると、敵からの射線が通りにくいしこちらは複数の敵に射線を通しやすい、囲まれることもない。それだけでかなり戦闘が有利になります。
▲ 地上の複数の敵に一方的に射線を通すことができます
▲ ちょっと下がるだけで射線を切れます
まあ実際には高所や壁の裏側にまで攻撃できる魔法なんかもあるし空を飛べる敵もいるんですが、基本的にはこの考え方でだいぶ有利に立ち回れると思います。
死にながら活路を見出す楽しさ
実はこのゲーム、結構初見殺し的な要素が多いです。
不用意に部屋に入ると囲まれてボコボコにされるとか、特定の攻撃に耐性のある防具や魔法が無いとキツいとか、ターン制限があってマップを把握してないと間に合わないとか、「こいつを先に倒さないといけなかったのか」みたいな特殊な倒し方とか。
特にボス戦は、初戦は「死んでもいいので敵の攻撃パターンや数・配置など情報収集する」みたいな気持ちで挑むのがいいと思います。
そしてそれに合わせて装備や魔法、時には職業まで変えてしっかりした準備してやり直す。正面から挑む必要はなく、前述のように高所から攻め込んだりあらかじめ仲間を有利な位置に配置しておくのも有効。
会話の選択肢もやり直し推奨
戦闘の話からズレますが、会話中の選択肢についても初見殺し的な「その選択肢を選ぶと何が起こるのか?」が分かりにくいものが結構あります。ストイックにロールプレイとしてその結果を受け入れるのももちろんアリですが、死んでほしくないキャラが死んだりとか不本意なことが起きてしまった場合は素直にやり直す方がモチベーションを保てて良いと思います。特に1週目は!
そのためにもこまめなセーブをお勧めします!(オートセーブの頻度が低めなのでなおさら)
確率の魔力
バルダーズゲート3はテーブルトークRPGをベースにしているので、多くのことがダイスの出目で決まります。
会話で相手を説得できるか?とか宝箱のカギを開けられるか?というような場面では、実際にダイスを振る演出があってその出目で可否が決まります(完全にダイスの出目次第なわけではなくて、キャラの能力やアイテムで補正はできますが)。
ダイスを振る演出のない戦闘中とかでも、攻撃がヒットするかどうか、ダメージ量、敵の攻撃を避けられるかどうか…などすべてが内部的にダイスを振った結果(+補正値)で決まります。
例えば攻撃が命中するかどうかを判定する「攻撃ロール」では下記のような計算がされます(参考:https://www.price-shopping.com/entry/post-21535/)
・攻撃相手のアーマー・クラス ≦ 攻撃ロールのとき命中
攻撃ロール =
1d20(1~20の20面ダイスを振った出目)
+ 能力修正値
+ 習熟ボーナス
+ その他バフ等
※ただし攻撃ロールのダイスで最大の20が出た場合は、クリティカル・ヒットとなり攻撃対象のアーマー・クラスに関係なく必ず命中
ちなみに「アーマー・クラス」は、名前的には「防御力」っぽいですけど、どっちかというと「回避力」だと思っておいていいと思います。高いほど上記の計算式で敵の「攻撃ロール」を上回れる確率が上がるので、すなわちアーマー・クラスが高いほど攻撃を回避できる確率が上がります。
たとえば相手のアーマークラスが6でこちらが能力修正値等なしだった場合、20面ダイスで6以上が出れば攻撃が当たるということになります。つまり当たる確率は15/20。75%ですね。
1ターンに最大6回攻撃できるキャラなんかも作れるんですけど、仮に1回に10ダメージとした場合に75%命中の攻撃を6回やって全部当たれば60ダメージの可能性もあるし全部外れて0ダメージの可能性も無くはない…この確率次第で戦況が変わりかねないヒリヒリ感がクセになる!(必ず命中する「魔法の矢」がいかに強いか…)
自分的にはこの「確率が戦況を左右する」というところが非常に好きでした。もちろん一時的に能力を上げる魔法や薬なんかである程度コントロールはできるので、ここぞという場面では思いっきりバフを積んで挑むのもアリ。
というわけであえて戦闘に絞ってバルダーズゲート3の楽しさを語ってみました。