厚切りすぎる厚切りベーコンのカルボナーラの話

都内某所、数個のテーブル席とカウンター5席ほどの小さなお店。

友人から話を聞いてぜひともこの店のカルボナーラを食べてみたいと思っていた。とうとうその日がやってきたのだ。

カウンター席に座り、メニューをめくりカルボナーラを探す。

あった。なんと1500円……!
だけどもこれを食べるためにこの店に来たのだから、今さら怖気付くわけにはいかない。
なんとか勇気を振り絞りカルボナーラを注文する。

カウンター越しにキッチンでの調理の様子が見える。
きちんとコック帽とコックコートを着た男性が、慣れた手つきでフライパンを揺すっている。

しばらくして目の前に1500円のカルボナーラが到着した。
何が1500円なのかは、見ればすぐに分かった。ベーコンがでかい。すごくでかい。おそらく厚さ2センチ以上はある。
傍らにはフォーク、スプーン、そしてナイフが運ばれてきた。つまりこのナイフでデカすぎるベーコンを切って食べろというわけ。

もうひとつこのカルボナーラが特徴的なのは、ベーコン以外の具が全くないこと。
ベーコンと、ソースに絡んだ麺。そしてパラパラとブラックペッパーがまぶされている。玉ねぎもキノコも何もない。
ベーコンのインパクトひとつで勝負しようという男気は買いたい。

さらにそのソースと言うのが、いわゆる一般的なカルボナーラと違っておそらく卵を使っていない。
というかチーズの味しかしない。
チーズフォンデュの中にスパゲティをどっぷり浸したものを想像して頂きたい。僕の舌ではそれと同じに感じた。

逃げ場となる野菜とかキノコとかが無いので、ひたすらチーズフォンデュ麺とヘビー級厚切りベーコンのどちらかと対峙し続けなければならないかなり上級者向けなカルボナーラと言えると思う。
ひたすらカロリーを胃に流し込みたい方はチャレンジしてみて欲しい。

 

カルボナーラ